報酬設計の難しさ、アンダーマイニングとは
とみます(@20tomimasu)です。
会社員のボーナス(貰う側)、子育てのお小遣い(与える側)、あるいは、NFTを使ったプレゼント。
何かと、報酬設計に興味を持つようになり。
私の場合、小さい頃は、テスト高得点でお小遣い? ゲームソフトを買ってもらうような環境で育ちましたが…
アンダーマイニングといって、モチベーションを下げてしまうようで。
報酬が高ければ良いってものじゃない
NTT Dataのレポートが大変参考になった。
>>報酬設計と脳科学
とある実験において、
- 簡単な課題
- 難しい課題
に対し、0~100ドルの報酬額を変化させたときの、人間のパフォーマンスを観察したというもの。
その結果がこちら↓
引用…報酬設計と脳科学
- 簡単な課題に対しては、報酬金額に応じて、パフォーマンスが良くなっていく
のに対し、
- 難しい課題に対しては、100ドルの場合、パフォーマンスが下がってしまった
というもの。
これは、
- 損失回避=何かをもらえる時よりも失うときのショックを大きく感じてしまうこと
が原因だそうで。
あー、トレードとかでも、ロスカットできない人間の心理ってやつだね。
この感覚が、成績を下げてしまうこともあるので、報酬が高ければ良いって訳ではないのか。
個人差もあるらしい、なるほどねー。
アンダーマイニングとは
学業・仕事・運動など、業績・成果を予測する最も強い因子は
- 内発的動機付け。
その内発的動機付けとは、
- 「楽しいからやる・好きだからやる」というモチベーションのこと。
一方で、外発的動機付けとは、
- 「金を貰うからやる」などのモチベーションのこと。
んー、確かに、成果を出している人は、
内面的なモチベーションの高い人が多そうな。
ところが、
- 本来好きでやっていたことに対して報酬を支払われるようになると、やる気がなくなってしまう
という現象が起きるそうで。
これが、
- アンダーマイニング効果。
たとえば、仕事の場合、
- 成果に応じた金銭報酬を約束すると、その課題に取り組もうという動機づけは高まるが、もともとあった内発的動機づけは押し出されて減弱してしまう
とのことで。
あー、これは分かる気がするな。
大学生の時の研究に対するモチベーションは、企業に入ってから年々薄くなっていくのを実感しており。
これは恐いね。
- 趣味でやっていた大好きのことでも、お金を渡されると純粋な好きという気持ちだけではできなくなってしまう
と。
うへー。
この知識は、子育てにも生きそうで。
子育てに生かそう
さきほどの論文にも書かれているが、前提として、
- そもそも、つまらない課題ではアンダーマイニング効果は生起しない。
- 外的報酬を受け取ること自体ではなく、本人が外的報酬を「予期する」ことが影響する
とのこと。
なので、
- 〇〇したら、□□をあげる
とか、
- ▽▽したら、◇◇してあげる
みたいな喋り方には注意しようか。
さらに、娘の自発的な行動に対して、
迂闊に、モノなどのご褒美を上げないようにしよう。
- ステキ!!
- すごいじゃん!!
みたいな言葉で十分かな。
一方で、私が小学生の時は、
- テスト高得点を取ったら、ゲームソフト!!
- バスケでゴール数に応じて、お小遣い!!
みたいに育ってきたので、どちらも中途半端な成績になってたのかもね。
これから育っていく、3歳の娘を観察しつつ、
彼女のモチベーションを阻害しないように注意していきたい。
おわりに
以上「報酬設計の難しさ、アンダーマイニングとは」でした。
子育てだけでなく、仕事やビジネスにも通じることがありそうで。
また、ブロックチェーンゲームは、お金を稼げるインセンティブを売りにしていることが多く、ゲームとの親和性は、実はイマイチだったりして。
アンダーマイニングを正しく理解して、物事を俯瞰していければ。
それでは、また。